お寺の経済学

3月15日(木)

千葉県教化研究会議という勉強会に出席しました。

「お寺の経済学」という本を著した、慶應義塾大学商学部教授の中島隆信先生の講演と
分散会の日程で進められました。

先生は経済学的視点から寺や住職の行動を分析されています。

今回の講演では、
沖縄の寺院が、これからのお寺の未来像として取り上げられていました。
沖縄の仏教系寺院は8400世帯に1ケ寺と、全国平均の600世帯に1ケ寺からみると
非常に寺院数が少なく、その上、昔から檀家制度が無いそうです。
本土のお寺も油断していると、檀家離れが進んで相当数の寺院がつぶれてしまうだろう。
沖縄を貴重なモデルケースと考え、そこからもっと教訓を得るべきだ。
お寺さん!檀家制度の上であぐらをかいてないでもっとガンバレ!
というような内容だと私は受け取りました。

中島先生はその著書「お寺の経済学」の中で、江戸時代にできた檀家制度が、
現代の寺院と日本人の信仰に強く影響を及ぼしているとし、
檀家制度の事を、

「檀家制度という長期契約は、寺檀間の取引を信頼関係によって安定化させる。問題は
安定によって緊張感が失われることだ。檀家は毎年同じことをただ繰り返すだけの
宗教儀式を続けているうちに、仏教信者としての本分を忘れ、仏教の教えに対する興味を
失っていくだろう。一方、お寺の住職は地域の葬儀・法事担当事業者となってしまい、
布教活動という本来業務を疎かにするかもしれない。」と述べ、

そして、著書の結論では、

「お寺の再生を図る道は一つしかない。それは墓をお寺から切り離し、檀家制度を
一度完全に解消することだ。・・・(中略)そのとき、住職の真価が問われることになる。
宗派の教えをわかりやすく説き、信者の心を引き付けることのできる僧侶が
支持されるだろう。・・・(中略)そして、そのとき信者は自らの信仰心を改めて
問い直し、名実共に仏教信者となっていることだろう。」と述べられています。

ちなみに私は、3日前に沖縄旅行から帰ってきたばかりです。
沖縄のお寺をお参りし、ご住職からもお話を伺ったところ、
「たしかに、ここ沖縄は檀家制度が無いけど、その分、檀家というものに
縛られないで、きちんと布教をすれば信者さんになってくれる。
やりがいのある処ですよっ!」とおっしゃっていました。